サワ☆博士の不定期コラム。
数楽たいそうを通じて考えたこと、気づいたことを書き留めています。
最新コラム 第8回
出会う場所
ご高齢者向けのメニューを考えています。
計算と運動、両方のタスクが効果的になるよう、手が届くか届かないかギリギリのところを考える・指示をするのがわたし(サワ)の役目です。
これまでは子どもを主な対象として考えてきました。わたしも昔は子どもでしたので、気持ちや運動能力はまあまあ想像できます。そのお父さんやお母さんと一緒にやる親子たいそう、はたまた大人だけのクラスでもメニューや指示を大きく変えることなくやってきました。
これは、たいそうから皆さんの計算、運動へと2つの指示が出ているような状況です。
た→計算
い
そ
う→運動
人生の先輩であるご高齢者向けのメニューは様子が違いました。体のどこを鍛えたほうがよいのか。どんな計算ができると心地よいのか。ちゃんとしたプログラムの提供には、わたし自身に今までとは違う知識が必要であることがわかり、専門家の力を借りました。
やや乱暴ですが、この状況は、
計算→た
い
そ
運動→う
と表せます。この2つを合わせれば、
計算→た→計算
い
そ
運動→う→運動
となります。
左側がご高齢者、右側が子どもらの計算・運動です。たいそうが出会う場所のようになっています。
この春からの新しいご高齢者向けのクラスに備え、先日、お試しクラスを行いました。その場でも多くの発見があり、とても勉強になりました。まだ名前も決まっていない新しいメニューの1つは、百人一首の試合のように向かい合って座り、手や頭を動かすものです。そのメニューにおいて一方におばあちゃんが、向かい側にお孫さんが座りました。細かい指示がなくとも、自然と協力してタスクをクリアしていく様子に胸が熱くなりました。おばあちゃんとお孫さんはいつもとは少し違うかたちで出会っているように見えました。
このメニューはこちらのちょっとの指示で協力的にも、相手に意地悪ができる競争的にもできます。単純なメニューで実現するちょっと複雑な仕組み。4月で5年目に入るたいそうは出会い・交流の場でありながら、同時に、わたし自身が遊んでもらっているようでもあります。
[サワ]
第1回 数は自由と創造のツール
巣鴨・パトスタジオでのクラスでは、毎回5分間の「勉強タイム」を設けています。
数楽たいそうにまつわる計算を中心に、園児や小学校低学年では教わらないことを、ジムの壁にたてかけたホワイトボードで楽しく勉強します。
ひと月ぐらい前の勉強タイムで・・・
第2回 2次元の指導
数楽たいそうでは、数学と身体運動の2つの難易度を設定して指導しています。
幼稚園・保育園年長ぐらいまで5までの足し算も最初はおぼつかない。その一方で小学校中学年だと九々もできるし、計算のちょっとした工夫もできます。
身体運動の能力にも・・・
第3回 実践と定義
タイトルがちょっとかたいですね。「やることと決めること」ぐらいの話です。
昨日の勉強タイムは数直線についてでした。
小1、園児に数直線を教えます。もちろん「数直線」なんて言葉は使いません。
フリーハンドで雑な横線を引き・・・
第4回 分割のほうの無限へ
数楽たいそうでは全身で数を表現します。15がひとつの区切りの数です。小さい子ははじめのうちはうまくできません。でも実は大人も最初は上手にできません。1から15まで間違いなくできたときの、ちょっと満足そうな顔は大人も子どもも同じです。
ひとつ違うのは・・・
第5回 1つではない
メニューの1つに20ステップスというのがあります。
前や横への片足・両足ジャンプをしながら、いくつかの数を足し合わせて20を目指すメニューです。 これは今年、小学校2年生になったある子の発案をもとにメニュー化したものです。
巣鴨・パトスタジオでは・・・
第6回 始まりであり目標
面白そうだとお声がけくださる方々、こんな関連もあるよと提案してくれる皆さん、日々一緒に検討・指導してくれる方々、そしてなによりのいちばんは実際にたいそうをしてくれる皆さんのおかげで、数楽たいそうチームは2018年、パトスタジオの定例クラス、様々な出張クラスの両方で充実した活動をすることができました・・・
第7回 距離と数学
4月から京都府に住んでいます。
東京・巣鴨のたいそうクラスにはメニュー作成として関与しています。
数学は普遍的だとかユニバーサルだとかよく言われます。ぜひご覧いただきたいのでネタバレは避けますが、SF映画の名作『コンタクト』、『インターステラー』でも数学が・・・