第3回

実践と定義


タイトルがちょっとかたいですね。「やることと決めること」ぐらいの話です。

 

昨日の勉強タイムは数直線についてでした。小1、園児に数直線を教えます。もちろん「数直線」なんて言葉は使いません。フリーハンドで雑な横線を引き、こちらで数を1つ示したあと、いろんな数の場所を考えてもらうだけです。

 

0(原点)と1(単位)、これらを基準として直線上の点に数を対応させる。これがふつうの数直線の手順です。5は1の5倍だから0と1の間の距離を5倍したところが5の点、といった感じで。

ちょっと前、数直線を扱った初回は、そんなふつうのやり方で説明しました。みんなすぐにわかってくれました。大人にはわからない楽しさがあるのか、飽きずにいろんな数で試していました。

 

で、昨日の数直線2回目はちょっと意地悪をして、横線を引いて8の点を示し、4を探してもらいました。答える役を担った園児の表情は真剣そのもの。熟考の末の答えは2~3のあたり。ちょっと違っちゃったけどたいした問題じゃありません。

 

本当を言えば、0の点を正確に示してなかったので、そもそも問題に不備がありました。それでもだいたい合っている。合っているってことは、0の位置を園児が自分で推定して、そのうえで4を決めているわけです。すごいなあと思いました。

 

数学が得意な人ほど、すぐに「定義は?」と問題を正確にしたがります。もちろん正確な把握は大事です。でも正確なかたちで問題が与えられるばかりではないですよね。ふつうの生活においてはなおのこと。

 

数楽たいそう爆誕だって、数楽たいそうの恩人のおひとり、パトスタジオの西林さんとのなんてことない会話がきっかけです。難しい顔をして「新しい体操とは?」なんて考えたわけではありません。

 

数学の証明は、数学者の頭のなかでは厳密な定義でなくイメージに基づいて展開、アウトプットの段階で初めて厳格に記述されると言われることがあります。

 

思いついたらまずはちょっとやってみる。いいかも!と思ったら少し正確に記述する。実践と定義のかろやかな繰り返しがいいのかな、と勉強タイムでわたし自身があらためて勉強しました。

[サワ]