第1回
数は自由と創造のツール


巣鴨・パトスタジオでのクラスでは、毎回5分間の「勉強タイム」を設けています。

 

数楽たいそうにまつわる計算を中心に、園児や小学校低学年では教わらないことを、ジムの壁にたてかけたホワイトボードで楽しく勉強します。

 

ひと月ぐらい前の勉強タイムで、「新しい数楽たいそうのメニューを考えよう」とやってみました。小さなアスリートたちは一生懸命考えていました。

 

数楽たいそうの原理はとても簡単なので、小さい子でも真剣になれば新しいメニューを考えることができます。実際、小学校1年生が考えた「数字でジャンプ」は、クラスのアップのメニューの1つとして定着しました。考えた子はメニューが行われるたび、ちょっと得意げです。なにも言っていないのに、先週には2つ目のメニューを提案してくれました。

 

思い出話で恐縮ですが、わたし(サワ)は小学校の頃、方眼紙で自作のゲームを作るのが大好きでした。サッカーなどのスポーツゲーム、戦術シミュレーションゲームなどが主でした。普通にゲームをするのも好きでしたが、ゲームを作るのはまた別の楽しみがありました。

 

自作のゲームには文章化されたルールはなく、ゲーム盤は方眼紙、駒は厚紙。これでは3歳離れた兄や、友人は一緒に遊んでくれません。しょうがなくひとりで遊んでいました。1度だけ父が付き合ってくれました。とてもよく覚えている父との思い出のひとつとなりました。

 

自由な発想を、とか、もっと創造的に、とか、子どもにはよくそんなことを要求してしまいますよね。健全な要求だとは思いますが、と同時に、我々がつい求めてしまうのはある枠の中での自由や創造かなとも感じています。

 

あるメニューやゲームという「枠」の中での自由。だけではなくて、「枠」そのものを考える創造。「新しいメニューを考えよう」にはそんな思いも込められています。

[サワ]